
料理はフレンチであり、フランス人のシェフ。本店はニューヨーク。そしてここ、日本。その背景から、フランス、アメリカ、日本のワインを中心に、世界各国のワインを幅広く揃えている。
まさにこのワインセラーは、世界中のゲストを迎えるお店の姿勢を映し出してるように見えた。
「ワインのペアリングは、料理のフォーカスポイントと特徴を捉えながら「同調」「補完」「対比」「ミラクル」の4つの要素から考えていく。」と中里氏は話す。
同調:料理が持つフレイバーに、ワインの香りや味わいを寄り添わせる。
補完:例えば、カルパッチョに酸味のあるワインを合わせ、口の中でレモンを搾ったような感覚を生む。
対比:スイカに塩をふるように、あえて異なる要素を重ね、旨味を引き出す。
ミラクル:スパイシーな料理に、直感的には結びつかないオレンジワインやジョージアのワインを組み合わせ、新たな驚きを生む。
この4つの要素を組み合わせることで、料理とワインの世界を深く味わうことができる。
ワイン・オルタナティブと呼ばれるノンアルコールドリンクも豊富に取り揃え、ノンアルコールでのペアリングも好評だ。
さらに、中里氏はゲストの様子や好みに応じて、さりげなく提案、微調整を加える。実際に、日本酒が好きなゲストには、ワインペアリングに日本酒を織り交ぜることもある。そのさじ加減が、ゲストの笑顔を引き出している。こうした柔軟な対応は、知識、経験、品揃えがあってこそ成立するものだ。

店内のカウンタースタイルのフレンチは、ジャン・ジョルジュ氏が日本の寿司カウンターから着想を得たもの。目の前でスタッフが立ち動く様子は舞台のようで、距離感の良いサービスが届く。スタッフは、お客様から名刺を受け取ったり、指名をいただくことも多い。
中里氏はこのサービスの要は「チームとしての一体感」だと話す。
「スタッフ全員がお店の存在意義と目的を共有し、全席に同じ顔を向けることです。たとえデートで訪れたゲストであっても、同じようにコミュニケーションを取ります。」と穏やかに語った。

ジャン・ジョルジュが提案する「ラグジュアリー」は、単なる高級感ではない。
高級な食材やゴージャスな演出だけではなく、時間を共有し、ゲストの要望に応え、寄り添ったサービスをすること。お客様が来てよかったと思える体験そのものが、ラグジュアリーだと言う。
一皿、一杯、そして目の前の瞬間に込められた配慮と技。その積み重ねこそが、ジャン・ジョルジュ トウキョウが体現するラグジュアリーなのだ。

GM 中里 剛宜
中里氏のキャリアはシェフの道から始まる。高校時代に通っていた中華料理店の味を独学で再現し始め、中華鍋を握り始めた。19歳で上京後は天皇陛下の料理をつくる料理人の下で経験を積む。さらに、アジア、アメリカなどの名店を渡り歩き、帰国後、サービスの道に転身。数多くの飲食店の立ち上げに携わり、現在はジャン・ジョルジュ トウキョウの支配人を務めている。「演じすぎないことを大切にしている」と中里氏。自然体でゲストに向き合う姿勢が、信頼を生む。
Jean-Georges Tokyo
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